FPたかみーのブログ

ファイナンシャルプランナーである、『たかみー』よりお役立ち情報を提供させていただきます。

『人生100年時代の生き方』③

人生100年時代の生き方』③

 

(日本人の自殺)

   一時期、日本人の自殺者は3万人以上いました。そのことにより、若者の自殺や経済的な原因による自殺が大きくクローズアップされました。そのことにより、様々な自殺削減の取り組み行なわれました。結果的に2019年には自殺者は2万人にまで減りました

  しかし、統計を見てみると若者や働きざかの人たち以外の自殺者(高齢者など)への取り組みが、まだ十分に機能していないことが分かります。

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今回は高齢者の自殺についてクローズアップしてみます。

 

(2020年日本の自殺者はどうなったか?)

  2020年の自殺者数は前年比750人増(3.7%増)の2万919人(速報値)だったと発表されました。。これまで10年連続で減少していたが、リーマン・ショック直後の09年以来11年ぶりに増加に転じることになりました。

  2020年は「女性や若年層の増加が目立ち新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や生活環境の変化が影響した恐れがある。」と言われています。

 ●警察賞webサイト(2020年自殺者速報値)

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html

 

 

(世界の自殺率はどうなっている?)

 ここで先進主要国の自殺率を見てみます。自殺率とは、人口10万人当たりの自殺者数を割り出し、人口比率で計算しなおした数値になります。

 

先進国の自殺率

 

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この先進国の中ではロシアに次ぐ、2位となっております。このグループに中では日本はかなり高い水準にあります。

  では、世界の中では日本はどのくらいの位置にあるのでしょうか?

 

〇世界の自殺率

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世界保健機関による粗自殺率(2016年版)

※1 自殺率は下記表のデータをもとに作表し、便宜上に順番を振ったものです。

※2 留意点として、自殺死亡率は、統計の信頼性や更新頻度が国によって異なるた め、単純な比較が難しいとされる。世界保健機関 (WHO) が、2014年に発行した「世界自殺リポート」では、順位付けはしていません。

↓ 元データ 

https://apps.who.int/gho/data/view.main.MHSUICIDEv

 

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 この中では韓国のほうが自殺率がかなり高いのに気づかれたと思います。韓国は最近いつも自殺率ではかなり上位にランクされています。これは「受験戦争など厳しい社会環境の影響があるのかもしれない。」と言われています。

 

では、日本における自殺者の年齢、原因などはどうなっているのでしょうか?

 

  (実は日本の自殺は高齢者によるものが意外に多い?)

  統計を見ると40代(全体の約17%)、50代(17%)の自殺数が多いのは想像していたとおりでした。経済的な負担を背負っている方はこの世代に多いですから。

 しかし60歳以上の自殺を見ると全体の約40%を占めますこれは人口構成比からみてもかなり高い数値になります。

 では一体、自殺の主な原因は何なのでしょうか?

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 (自殺の原因)

   自殺の原因は複合的なものであり一概に特定は難しいものの、判明しているデータによると①健康問題(約48%) ②経済・生活問題(17%) ③勤務問題(10%)となっています。皆さんはどう思われたでしょうか。

 私は当初、経済的な苦慮だったり若者の自殺としてのイメージが大きかったので、1位が『健康問題』というのがとても意外でした。

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そのあたりのことが元大学教授が書いた本に詳しく記されていたのでご紹介します。

 

 『国立精神・神経センター精神保健研究所によると。2005年の自殺者の約40%は高齢者であった。自殺者の多くは家族と同居していた。一方、単身生活の高齢者の自殺者は高齢自殺者の5%でしかない。家族と同居している老人ほど自殺するのだ。高齢者の自殺原因は健康上の問題によるうつ病状態が多い。その中でも、医学の発展や、延命治療のために、なかなか死ねなくなった高齢者が、看護や介護によって家族に迷惑をかけるのが苦しいという理由で自殺する。』

 出典 『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたの愛をこめて書いたので読んでください。』 著者 藤森かよこ

  私としてはこの本の記載内容は衝撃でした。自分が考えている自殺原因とは大きく異なった理由がそこには書いてありました。

 

 (まとめ)

 2020年からはコロナの問題が出てきたので、これからは自殺の原因などについては「経済問題」、「過程問題」などの原因によるものが増えてくるかもしれません。

 しかし、「健康問題」については、今後、必ず解決していかなくてはいけないテーマになっています。

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